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2010年12月 アーカイブ

林業の構造 3

国有林は、将来、本当に国産材の安定的供給と価格の安定化機能を発揮することが出来るでしょうか。


国有林への期待は、供給の量的安定性とともに、それが史上で果たす質的機能です。


かつての国有林材は、量的に大量安定供給が可能であるとともに、それの材が民有林に見られない優良材であることによって価格形成に重要な役割を果たしてきています。


戦後、造林木が資源的に成熟し、伐期に達したとき、木材の供給が量的に大量化することは予想いえたとしても、量的には限界であるとみたほうがいいでしょう。


なぜなら、将来の「質」のためには、今まさに枝打ちやつる切りが行われるとともに、間伐が集約的にされるなど、優良な森林をつくるための施行が継起的にされなくてはならない時期です。


にもかかわらず、財政再建を一義的とする「合理化」の展開は、優良な森林を造成するための投資さえ極力押え込む傾向を強く持たざるをえないのです。


・・・これでは近い将来、国有林が果すべき林産物の計画的、持続的供給と木材価格の安定化機能は、不可能となることが予想されます。


短期的祝野からではなく、そして何もかも財政赤字に短絡するのではなしに、今こそより良い森林を作るための投資がなされるべきものと考えます。


この場合の作業形態は、森林の造成のためのきめ細かな施業が中心であるところから、責任ある直用形態が望ましいことはいうまでもないでしょう。


林業の構造 4

今日は、地域振興への寄与・・・


つまり地元経済への寄与に関する機能についてです。


国有林が地元経済に果たす役割は、部分林や共用林野等の地元施設を通じて発揮されますが、それ以外に山村民の就労の場としてのそれと、地元の木材工業等に対する林産物の供給源としてのそれがあります。


まず雇用問題についてみると、すでにみたように、国有林経営の「合理化」によって雇用量が著しく狭められているだけではなく、直用から請負への転換が推し進められようとしているところに特徴があります。


これは、すでに指摘しているように、戦後における林業労働近代化過程の中でやっと"人並みに近づいた"労働諸条件を否定することによって林業労働力の再生産を不可能にします。


結果として山村経済の縮小をもたらす危険性があるといわなくてはならないでしょう。


また、地元への林産物供給についてみると、国有林の販売形態が素材売りから立木売りに全面的に転換し、「合理化」が貫徹することによって次第に小規模業者の購入は困難となります。


いずれ、大型業者への集中傾向が必然化することが予想されます。


この点は、国有林野事業を請負う事業体の育成をめぐっても同様であって、大規模業者による小規模業者の排除と改編が進むものと思われます。


結果的には、地元にとっての国有林は、眼前に在りながらもより遠い存在となり、地元とは隔絶したものとなる恐れなしとしません。


総じて、"赤字"対策にのみ目を奪われ、それを発想の根源とする国有林経営の「合理化」は、国有林の存在意義を小さくして、国民の手からますます遠い存在にしています。


それだけではなく、林業生産諸力の構築に否定的に作用する危険性を持つものとして考えなくてはならないでしょう。


真の意味における国有林の再建のためには、長期にわたる視野からの国民の総意を結集した経営改善が必要なのです。


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