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2011年01月 アーカイブ

公的造林の展開

林業の生産活動を示す指標としてとりあげられるものに、素材生産と造林活動があります。


前者は産出面を、後者は投入面を表わすものであって、林業生産における生産活動の水準をみるうえで便利です。


素材生産活動については別の機会に譲り、70年代の造林活動(以下、特に断わらない限り人工造林をいう)についてみると、70年の35万5365haに対して75年が22万8947ha、80年が16万4200haです。


これは、対70年比でそれぞれ65%と46%であって、こと造林に関する限り停滞ではなく縮小です。


戦後、日本人工造林の動向は、拡大造林の大幅な仲びを特徴としていました。


しかし、60年代には毎年30万ha前後であった拡大造林は、70年代に入ると75年19万ha、80年13万ha(対70年の42%)と急速に縮小しているのです。


日本の人工林率は、80年には40%に達しました。


この事実からも明らかなように、先発・先進地では植えることができるところはほぼ植えつくしてしまい、条件の悪い場所だけを残してしまったことによって、人工造林の縮小傾向が加速されていることも否めない事実なのです。


しかしながら、「森林資源基本計画」に基づく目標人工林面積に対する現実の人工林面積の割合(目標達成率)は、全国平均では80%とまずまずの数値を示します。


しかし、北陸68%、中国.北近畿73%、北海道と東北75%とまだまだ低い水準にとどまっています。


こうした地域があることを勘案すると、後発・後進地域では、拡大造林の対象地はまだ残っているのに(全国で257万ha、うち北海道46万ha、東比60万ha、中国・北近畿74万ha)、植えないままで停滞してしまっていることがわかります。

公的造林の展開 2

拡大造林の停滞は、何よりも林家等生産主体の林業離れに起因するものです。


第一に、木材価格、特に国産材チップ価格の低迷による前生樹伐出の手控え、人工造林対象地の奥地化、立木価格に対比しての造林費の高騰といった「外材支配体制」の直接的影響。


第ニに林家の兼業化、出稼ぎ化、労働力の高齢化に伴う造林労働力不足及び要保育・間伐林分が増えているのに限られた労働力では新植にまで手が回らなくなってきていること等・・・


林業・山村をめぐる経済構造の変化が大きく影響したものであることはいうまでもありません。


一方、再造林についてみると、拡大造林ほどではありませんが、これも70年代を通じて縮小を続けています。


70年に5万1360haを記録したのが80年には3万5851haと30%の滅少を示しています。


再造林とは人工林の伐採跡地への造林ですから、人工林の伐採量の多寡に直接関係します。


伐採量は年毎に低下してきているのですから、再造林の停滞と縮小は、造林対象地の減少に原因があることがわかります。


しかし、ここでの問題は、再造林対象地の減少をもたらした伐採量の減少が、何に起因しているかです。


残念ながら今この問題を検討する余裕がないので結論のみいえば、「外材支配体制」の直接的影響を受けて、林家等が財産保持的性格をより顕著にし、伐採対象林分があるのに伐採しないというところにその因があるのです。


再造林はこのために、急力ーブを描いて縮小し低下しています。


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