公的造林の展開 6
公社造林の対象地は、初期には、公社がもつ公益的性格を反映して市町村有林や部落有林野等公的性格をもつ林野を優先していました。
しかし現在では、その比重は著しく低下。
個人有林が71%に達していて(この他に大林野所有者、会社有が2%)、中.小規模階層を始め、自己の力で造林が不可能になった林家に代位する造林という性格が強まっているのです。
ところがここにも問題があります。
・・・というのは、公有林や入会林野等のうち、旧慣使用権等が比較的単純な林野はほぼ植えつくされてしまっているのに対して、それが複雑な林野は地上権の設定等が困難であるため植えることができないという事情から、ついには中・小林家の所有林野をも対象地にせざるをえなくなっているのです。
その結果、1団地当りの造林面積は小さく、分散する傾向を示し、事業費が著しく増大することになっているからです。
これは地方財政の問題と合わせて、公社造林の拡大を困難化する要因となっています。
日本の人工造林にとって、公社造林の持つ意義はいまなお大きく、人工造林の後発.後進地域においては特にそうです。
しかし、地方自治体が独自に生み出した施策である公社造林の今後は、後にみる「分収育林制度」と関連して、大きな変化を迫られようとしています。